祖父に”運転気付けてね”と伝えたくて電話したら、カウンターパンチを喰らった話。

こんにちは、Criacao広報です。

 

 

きっかけはテレビ東京の「家、ついて行ってイイですか」という番組を見た事です。なんとなく見たテレビの番組に衝撃をうけました。

最初は陽気なお父さんだなと思ってましたが、娘を若くして交通事故で亡くした過去があって、涙を流しながら娘さんの写真を見るお父さん。

この番組を見た時に「ああ、自分は今までこういった事故を何度もニュースで見てきたけど、どこか他人ごとだったんだな」と気づかされました。

 

番組を見てからすぐに、何でもいいからスポーツを通じて解決できることってないのかな?と、色々考えました。あの人を巻きこんだら、あーなってこうなって、あーなるかもしれないとか....


そしてたどり着いた結論は、スポーツじゃなくてもいいから、まずは自分に出来る事をしよう。そこからがスタート。自分が何か行動することで、誰かが共感してくれたらそれでいい。

 

 

 

まず交通事故問題について調べてみました。

今回の放送でとても感情的になっているので、まずはデータで現状を整理してみる事からスタートしました。メディアに煽られるのではなく、自分自身の意思で取り組みたいので。

内閣府データ
ダイアモンド記事
交通事故弁護士ナビ

 

自動車保有台数データ

ガベージニュース より

 

大前提として自動車保有台数は伸びているが、交通事故は減ってきているという事実があることがわかりました。(自動車利用頻度があれば、もっと正確に物事を考えられると思うのですが...)
 

こういったデータをどのように解釈するかは人それぞれだと思います。

 

私が今回色々なデータをみながら思った事は、交通事故は「理屈じゃない」ということ。少しでもいいから事故が減ってほしいという気持ちに間違いはないと思うし、自分に出来る事をする。そういった行動の一つ一つが、最終的に交通事故減少の一部に繋がってたらいいなと思うのです。

まずは祖父に電話してみる事からスタートしようと思いました。

 

 

 

祖父に電話する前の事前準備。


まずここで皆さんと共有しておきたい事が2つある。

①今回の目的
➡免許を返納させる事ではなく、自分の判断力が年々落ちている事を自覚して運転してほしい。

➡私にとって祖父は大好きな人であり、もし事故になったらすごく悲しいという事を伝えたい。

➡上記を踏まえた上で、判断力が落ちていると思った時はいつでも私に相談してほしい。
②祖父の人柄
私の祖父は、何の作戦もなしに電話して攻略できるような人間ではない。芸能人に例えると、ビートたけしさんのような人だ。独特で、頭が良く、自分に自信がある。だから「車の運転大丈夫?」とか疑う事は逆効果になる事は間違いない。

 

 

私は何度もイメージトレーニングをした。
断られるパターンをブレストして予想を立ててみたり、カウンタートークを用意したり、本を読んで知見を増やしたり...とにかく全力で取り組んだ。

 

 

 

 

いよいよ、電話の時。

これだけ準備をしたのだから、きっと大丈夫なはず...
緊張しているのか電話を持つ手に汗が... 

 

 

 

 

トゥるるるる

トゥるるるる

トゥるるるる

(めちゃくちゃ緊張する...)

 

祖母
もしもし~

 


あっもしもし、おばあちゃん。
久しぶり! 元気にしてる??

 

祖母
電話してくるなんて嬉しいわ。
元気でやってるんかい?

 


(いきなり変わってもらうのも違うなと思ったので、ここで現状報告)

最近はクリアソンっていうサッカーチームに入って...
今はこういう仕事してて...
ちゃんとご飯食べてるよ....

30分ぐらい話したところで、
おじいちゃんはいる?と切り出してみた。

 

祖母
おじいちゃんね。はいはい。ちょっと読んでくるから待っててね。
(おじいちゃーーーん、すぐに電話のとこきてーーー)

 


ごくり....
いよいよ、ここからが本番だ。

 

祖父
おっどうしたんか? めずらしいじゃないか。
なにか困った事でもあるのか?

 


あっおじいちゃん、久しぶり!!
特に困った事はないよ。

 

祖父
そうか、そうか。それは良かった。
ところで、電話してきたのは高齢者事故の件だろ。

 

えっ!!????

なぜ!?????

 

驚きすぎて、言葉を失いました。

 

 

祖父
お前の事だから、運転大丈夫か?という連絡をしたかったんだろう。テレビを見ながら、おばあちゃんと電話がくるかもねと話してたんだよ。

 


えっ... そうい#$$%#q""....
(完全にパニック状態。認めればいいのに、否定してしようとしてしまう。器の小ささがでてしまった 苦笑)

 

祖父
まあ、なんであれ心配してくれて嬉しいよ。私たちもニュースを見た時に色々と考えさせられた。私たちのような先のない人間が、先のある人間の未来を奪ってはいけない。そうだろ?

 


あっ...いや、そんなつもりは... でも、そういう事が言いたい部分もある。おじいちゃん、最近運転は大丈夫?
(事前準備の際に、絶対に言わないと決めたNGワードだったのに...)

 

祖父
どうだろうな...自分では変わっていないつもりだ。だけど、私のような考え方がああいった不幸な事故の要因になってることは間違いないな。あの事故を見た時に、思い出したことがあるんだ。

 

自分
何を思い出したの?

 

祖父
まだお前が小さくて、一緒に手を繋いでばあちゃんと買いものに行った時のことだ。とても幸せな時間だったし、あの時間が奪われた人がいるかと思うと気の毒なことだ。あの時間が人間の不注意で奪われるなんて事は、あってはならないんだ。

 


......

 

祖父
......

 

しばらく沈黙が続く。

 

祖父
歳をとって判断力はこれからどんどん落ちていくだろう。だけど、歳を重ねたからこそ本当に大切なものが何かもわかってる。

 

 

この後は祖父と仕事について、サッカーについてなど色々と話しました。運転気を付けてねと伝えるはずの電話が、いつの間にか人生相談へと変わっていきました。

 

交通安全は「運転する人が何を一番大切にしているのか?」で、変わってくるなと考えさせらました。