説明会をすっぽかされた人

そうし
「最後に彼女がいたのはいつのことだろう...」


パソコンの画面を見ながら創史(そうし)は将来について考えていた。

創史(そうし)
クリアソンのデザイナーで、いつもパソコンで絵を描いてる。

 

 

 

いつものようにSNSサーフィンしていると、会社の同僚が結婚式の写真をアップしていた。幸せそうな笑顔とコメントに創史も心を動かされた。

 


そうし
「今まで忙しすぎて採用活動(婚活)をしてこなかったけど、そろそろ真剣に考えるべきだよな。少し余裕もでてきたし頑張ってみようかな...」

 

 

 

さっそくGOOGLEで検索する創史。

 

 

色んな方法があることに驚く創史。


そうし
「そうか、最近はインターネットでマッチングするのが当たり前の時代なんだな。俺の時代はナンパしたり、合コンが当たり前だったから、時代が変わってきたことを実感するな~」

 

 

さっそくインターネットのマッチングサイトに登録してみた創史。
プロフィール欄を入力してみた。

 

 

そうし
「なんかドキドキするなあ。素敵な人がきてくれるといいな」

 

しかし現実は厳しい...
どれだけ待っても応募は0件。
徐々に心が折れていく創史。

 

 

そうし
「あ~やっぱり、俺なんかを好きになってくる人はいなんだな...」

 

落ち込んだ創史がSNSをみていると、すごい発見が...

 

そうし
「新卒採用のカリスマ竹田さん!!??」

ちょっと怪しいなと思いつつも、電話をしてみる創史。
そうすると5分後に竹田さんは創史のもとに現れた。

 

竹さん
新卒採用のカリスマ!?? らしい...

 

竹田
「創史さん、今回プロフィールを拝見しましたが全然ダメですね。まずはハイパー竹田メソッドを使って、プロフィールを書き直しましょう。」

 

創史
「ハイパー竹田メソッドを使えば、応募はくるんですか?」

 

竹田
「もちろんです。スーパーではなく、ハイパーですよ。めちゃくちゃ効果が期待できそうですよね」

創史
「あっ、はい。ハイパーですもんね...」

 

竹田
「ちなみに応募があったら、どのように結婚までのストーリーを設計されているのですか?」

 

創史
「あっ、とりあえず居酒屋でお互いを知ることからスタートしようかと...」

 

 

 

竹田
「そんなことでは、応募があってもすぐに辞退されますよ」

 

創史
「なんと!!? 居酒屋で自己紹介ではダメなのですか?」

 

竹田
「今は売り手市場ですよ。しっかりと説明会を開催しましょう」

 

創史
「説明会ですか...」

 

竹田
「そうです。自分がどんな人で、相手に何を求めていて、将来をどのように考えているのかをしっかりとPRしましょう」

 

創史
「そこまでする必要ありますかね...」

 

 

竹田
「創史さん、相手も人生をかけた勝負なんですよ。真剣に自己分析し、創史さんの研究をして臨んでくるのです。相手の本気に対して失礼のないようにお願いしますね」

 

この言葉に創史は心を打たれた。
今まで自分の事ばかりで、相手の事を全く考えていなかった自分が急に恥ずかしくなった。本気で向き合わなければ相手にも失礼だよなと心から思えたのである。

そこから創史は変わった。
応募が来た時にどのようなデートにするべきか何度もお店の下見を繰り返し、自分自身をどのように表現するべきかも真剣に考えた。

 

準備にかけた時間は、3カ月以上。
デザインの仕事もある中で、完璧なデートプランを考えた創史。

 

 

竹田から学んだハイパーメソッドを使った効果もあって、なんと応募が10件もあった。明日は説明会を開催し自分をPRする予定だ。

 

念のため、明日の説明会をリハーサルすることに。

 

夜遅くまで何度も説明会の練習をした創史。
「相手の本気に、しっかりと答えたい」という強い思いで、ここまで突っ走ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

当日...

応募者は10人もいたけど、誰一人として説明会に現れなかった。

 

目の前の光景に驚く創史。
もしかしたら自分が日程や場所を間違えたのかもしれないと、メールをチェックしてみる。

 

メールに間違いは見当たらない...

 

 

 

創史の悲劇はこれで終わらない...
翌日も3人の応募があったが、参加者は0。

その次の日も、
さらにその次の日も....




 

あれほど高かったモチベーションも、
「本当に採用(婚活)が必要なのだろうか?」と迷うように...

 

約束とはなんなのか?
そういうもんだと割り切るのが大切なのか?

色々と考えさせられる創史であったが、結局は自分に魅力がない事が問題なのだと自分を責める事にした。



創史
「あっもしもし、本日11名で予約していた創史ですがキャンセルとさせて下さい。本当にごめんなさい」

 

お店
「いい加減にしてください。これで3日連続ですよ」

 

創史
「本当にごめんなさい、ごめんなさい」

 

予約していたお洒落なレストランにキャンセル料を支払い、ひたすら謝る創史でした。

 

 

 

 

学生の皆さんへ

就職活動と恋愛が混じった世界観だったので、読んでいてわかりづらい部分も多かったと思います。


説明会の無断キャンセルって切ないな...
と思って頂けたら嬉しい限りです。