20代の転職活動は難しいなって思う事

こんにちはクリアソンの中村です。
色んなブログや本で「転職とはこうするべき」「転職とはこれが正しい」みたいな内容を読みましたが、結局のところ私がたどり着いた結論は「全て人次第」ということでした。

 

とはいえ、普遍的な部分はあるはずだ。
という主張には賛同します。

 

それでも言わせてください。
「転職活動における全ては、ケースバイケース」

答えは本にもSNSにも記載されていない。
結局のところ求職者の人生と真剣に向き合った先にしか答えはないのです。

今回は「転職はこうあるべき」という話ではなく、面談の「ケース」を2つほど紹介させてください。

 

ケースA君
入社してまだ7カ月で転職を考えているA君。彼は大学時代から長期インターンシップに参加していて、社会の理想と現実のギャップをインターンシップを通して経験している人間でした。

そんな彼の転職理由は、
「売れば売るほどお客さんが不幸になっていく」という事でした。

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まず面談では「相手の話を鵜呑みにするのではなく、信じるために疑う」ということを大事にして、様々な角度から質問し、掘り下げて事実確認します。転職支援とは求職者と企業の間にたち、客観性をもって相手と向き合う事こそが価値だと考えているからです。

 

この前提をもとにヒアリングした結果わかったことは、
●確かに売れば売るほど顧客は不幸になる
●代理店という立ち位置のため、商品の改善もできない
●上司は問題を把握しているにも関わらず、問題を隠して売る方法を模索しろと部下に命令している。

という状況でした。

 

「社会人になったらとりあえず3年間」という「普遍っぽいもの」を彼は信じていたので、転職するべきかどうかで悩んでいました。

 

■個人的な結論
転職したほうがよい

色々考えましたが、この会社に残るべき理由を自分の中で見出すことができなかったです。「商材悪」を前提として営業しているため、いかにデータ・根拠から顧客を遠ざけるか?みたいな営業スタイルになっており、このまま残っても変な癖がついて終わるだけだなと感じました。

良くも悪くも若手は素直なので、最初の3年間で「働き方」の基準が出来上がります。この会社で基準を身に着けた先に価値はないと感じました。

物事は全て「考え方・捉え方」次第だ。

と言う方もいますが、本当にそうでしょうか?
ダメなものはどんな考え方をしてもダメなんです。無理やりダメなものを肯定しようとするのはヒステリックです。全てはケースバイケース。

今回のケースは、「考え方・捉え方」という問題ではないという判断を私はしています。※これが絶対正義ではありません

 

 

 

 

ケースBさん
入社して8カ月目だが、転職を検討している。
理由としては給与が手取りで15万円程度で、上がる見込みもない。
上司の対応が理不尽で尊敬できない。尊敬できる人の下で働きたいし、学んでいきたい。平日休みなので、できれば土日休みの会社に行きたい。

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彼女と話してわかったことは、
●確かに給与は低い(残業代も未払い状態)
●上司の対応は客観的に事実ベースで確認しても理不尽
ということ。

 

彼女も「社会人になったらとりあえず3年間」という「普遍っぽいもの」を信じていたので、転職するべきかどうかで悩んでいました。

 

■個人的な結論
まだ転職のタイミングではない。

彼女の場合、1社目の会社環境が5段階評価でいうと一番下のEランクを選んでいます。客観的に彼女の能力・志向性を考えれば、Cランクぐらいの会社に入社することはできたはず。

しかし就活をあまりやっていなかった...
大手グループなら安心と安易な考えで決断してしまった...

そして入社後に理想と現実のギャップにやられて、完全に心が折れてしまった。そのため今の会社で頑張った事は特にない。転職活動をしても、アピールポイントがないので、Eランクの企業でしか内定が決まらないので、負のループに繋がってしまう危険性があるなと感じました。

図1

 

「今の環境でもっと頑張ろう」
というのが私のだした結論ですが、「今の環境でもっと頑張ろうね」と言われて頑張れるなら人生は楽なもんです。

きちんと彼女のモチベーションをつくってあげることも大事だと感じたので、こんな話をしています。

 


「Bさんは就活で失敗してしまったね。確かに今の環境で頑張ろうと思ってもモチベーションを上げようとしても難しいと思う。だけどこんな風に考えてみたらどうだろう?

はじめて付き合った彼氏が、DV彼氏だとしよう。
それでも付き合うってこういうことなのかなと思って、一生懸命DV彼氏にも良い彼女でいる努力をした女の子がいるとする。

もしその子がDV彼氏と別れて、普通の男性と付き合えたらどうなるかな?」

 

Bさん
「きっと、DV彼氏との違いに感動して凄く好きになれると思います。ちょっとした優しさにも感動できるようになるかもしれません。今まで以上に彼氏のために努力しようって思えるはずだし、心から頑張れると思います。」

 


「そうだよね。きっとそうなるんじゃないかな。このストーリーを今のBさんの状況に当てはめてみたらどうだろう?

悪環境でも頑張ったBさんがいたとする。もし転職して普通の会社で働けたら、この環境で絶対に頑張ろう!!って思えるんじゃないかな。」

 

Bさん
「それは間違いないですね。私の友人も働いている環境で文句を言っている子がいるのですが、私から見ると天国のような環境なんですよね。いつもその子の話を聞きながら、私がその会社で働けたら絶対頑張れるのにな....とか考えてました」

 


「そしたら今の悪環境でもう一度頑張ってみない? こんなに悪環境なのに頑張るBさんをみた普通の会社の面接官は、この子ならうちでモチベーション高く頑張れそうだな。と思うんじゃない。

普通の会社なのに文句を言っている社員もたくさんいるけど、Bさんなら愚痴に付き合うのではなく、こんなに恵まれた環境なんだから文句を言う前に頑張ろうよって思えるんじゃない」

 

Bさん
「確かにそうですね。私なら普通の会社で文句を言ってる人よりも、高いモチベーションで仕事に望めます!! なんかそう思うと今の会社を選んだことも結果として悪くなかったのかもしれません。最初から普通の会社に入ってたら、それはそれで文句を言ってそうですし....」

 


「おーーー!!めっちゃ前向きじゃん。なんか最初に面談してた時のBさんはすごいネガティブオーラ満載だったけど、今はポジティブな部分を感じるよ!!」

 

Bさん
「大げさなんですが、正直人生積んだな... ぐらいに思ってたので、今の環境を上手に使えばいいんだなっていう事がわかって、今はなんかワクワクしています。」

 


「じゃあ、一緒に明日から具体的に何をどう変えていくのかを考えよう!」

 

Bさん
「はい!」

 


「客観的事実を伝える」のではなく、求職者の方が今をもっと前向きに、ワクワクできるような人生になるようお手伝いしていくのが転職エージェントとの仕事なんだと個人的には思っています。

 

 

20代の転職活動は「ケースバイケース」なので、本や雑誌、SNSで「答え探し」をすることに意味はありません。
それよりも、真剣に自分と向き合ってくれる人を探してみましょう。